現在のように文明が発達する前、古来の人々は狩猟や採取をして暮らしていました。
今よりも身の回りに数多くの危険が存在し、一歩間違えるとすぐに命を落とす可能性が高かったのです。
安全安心に家族や村の人々が暮らせるエリアや生活リズムを築くことを求め、活動し、快適に暮らすことが人々の望みでした。
そのような時代を生き延びてきた人類の脳は、一度作り上げ快適に過ごしている生活を最優先に考えるため、今までと異なる生活を送ることに違和感を感じます。
つまり暮らしのパターンを変えることは、再び身を危険に晒すことになるからです。
原始人と現代人の脳は同じ
どんぐりを集め、マンモスを狩っていた時代の人々と、スマホをポチってAmazonを注文する現代の人々の脳はほぼ同じ機能です。
ですが、文明の発達によって人類の平均寿命は伸び、大抵の病気は完治するようになりました。
マズローの欲求5段階説で説明される、生理的欲求と安全欲求が満たされた現代人の多くは、それらの上位にある自己実現欲求や承認欲求を満たす生活にシフトしています。

その日の食料が保証されていない時代から、外見を気にする女性の多くが夕飯を抜くような時代になりました。
安心安全で、余程のことがない限り餓死しない現代では、モデルになりたい、インフルエンサーになりたい、お金持ちになりたい、夢や目標を持ってそれに向かう人が増えました。
目指した夢が実現した人もいれば、途中で挫折して諦めた人もいます。
もちろん、それぞれの適性や縁があっての結果ともいえますが、それ以前に意識の面ですでに諦めてしまっていた人も少なからず存在していると思います。
潜在意識の特徴
お金持ちの人はお金持ちの思考回路で生活しています。
モデルや芸能人は表舞台に立つことを当然と思って生活しています。
ほとんどの人は現在の自分に見合った生活をしていると思いながら生きています。
それどころかその生活を快適に感じており、それ以外の選択肢を意識しないかぎり今の生活を疑うこともありません。
現在の生活を変えようと、転職活動や副業を考えますが、脳は様々な理由や言い訳を考え今の状況を肯定し、変化を拒みます。
・収入は遺伝すると聞いたことがあるから、一般家庭で育った自分の生活水準はこんなものだ。
・まわりの友人もこれぐらいの収入で生活している。
・先月多めに残業したし、今月の給料はいつもより少しは多いかな。
潜在意識に善悪の判断はなく、あくまで今の状況がベストだと考えます。
身体を一定にする恒常性維持機能
恒常性維持機能とは、身体の活動を一定に維持する機能です。
身体には平熱が存在します。
夏場の熱い時には汗をかいて、皮膚に水分を表出させることで体温を下げようとします。それと反対に冬の寒い時期には身体を震わせることで熱を発生させ、体温の低下を防ぎます。
恒常性維持機能が潜在意識に作用する理由は、脳の負荷を下げるためです。
コンビニに行くとお決まりの商品を買い、通勤通学の道はいつも同じです。一人の休日のお昼ご飯はだいたいマクドナルドか餃子の王将に行く。
このように行動はある程度パターン化されていると思います。
お昼ごはんでさえ、毎回普段と違う選択肢を考えるだけも面倒で、それを行動に移すとなると気おくれしてしまいます。
つまり、自分の中のパターンを作ってそれを習慣化することで人体は脳のエネルギーを節約しています。
これは古来の人々が常に飢えの危機を感じ、少しでもエネルギー消費を少なくするためでした。
普段と異なる行動は脳にとって大きな負担となるため、できる限り今のままでいようとする機能が働きます。
これらの機能を理解したうえで、自分を成長させ変化するための行動プランを次の章で説明します。
過度な変化は続かない
僕は小学生のころ地元のソフトボールチームに所属していました。スポーツに苦手意識はないのですが、あまり身体能力は高い方ではありません。
ある試合で、自分のチームが劣勢でここで点が入れば逆転できるチャンスがありました。なんとその状況で自分の打席が回ってきました。塁にはランナーがいて、ヒットを打つだけでもチームが勢いに乗るような状況だったのですが、見事に三振し、その試合は負けとなりました。
それが悔しくて、翌朝から1時間早く起きて家の前で素振りをしてから、登校するようになりました。
ですが、その習慣は1週間も持ちませんでした。笑

苦汁をなめた、嫌な感情をもって成長したいと感じても、そのやる気は1週間も持たなかったのです。
これと似たような経験が皆さんにもあると思います。
・ダイエットに挑戦したけど、挫折して結果リバウンドした。
・資格を取ろうとして勉強したけど、続かずに教材費を無駄にした。
恐らくこれらの経験を分析すると、生活リズムに急激な変化が入ってきたからだと思います。
ダイエットであれば、炭水化物を抜いて急激に体重を減らそうとした。
資格の勉強であれば、睡眠時間を削って勉強時間に充てた。
このように大きすぎる変化は恒常性維持機能が身体の違和感を察知して、それらをすぐさま辞めさせようとします。
変化したい気持ちと、維持したい意識をつなげる方法は次のような習慣です。
小さな変化を積み重ねる
新しい習慣に取り組んでもすぐに挫折する、三日坊主でやめてしまう。
そのような方たちに共通することは、段階を飛ばしてしまっていることです。
絵具を思い浮かべてください。
赤色と青色の絵具を混ぜ合わせると紫色になります。つまり、赤色と青色の間に紫色があり、紫を経由することで2色間の移動がスムーズになります。
例えばダイエットで-10kgの自分になりたいとします。ダイエットに成功した自分が青色で、現在の体重の自分が赤色とします。
過度に量を減らした食事や、急激な運動習慣では目指す青色の要素が強まりすぎて、潜在意識の恒常性維持機能が働き、すぐさま赤色の習慣に戻るよう脳で指令が出されます。
その結果、初めに効果が出たもののそれ以降減量のペースが衰え、効果が出なくなったことにモチベーションが維持できなくなり、ダイエットを諦めてしまいます。
ですが、ダイエットに成功した自分の青色と現在の赤色の間にある紫の生活に取り組みます。
3色きちんと食べるが、炭水化物は少なめにする、週に2回だけランニングするなど。
小さいことを継続することで、習慣のギャップが生まれにくく、ダイエットも成功しやすくなります。
新しい習慣はおよそ3週間、21日で定着すると言われています。つまり、1か月弱続けることでそれが習慣化され、意識しなくとも勝手に身体が覚えるようになります。
大きく始めずに、小さくコツコツと続けることで、なりたい自分に変わることができます。